ちゃげの雑記帳

24歳の医大生が好きなこと、考えたことを発信してます。

落合陽一「日本進化論」

元旦からの先行販売と聞いて、新宿の紀伊国屋書店まで行って買ってきました。この前の朝まで生テレビについて書いた記事でも紹介した、落合陽一さんの新刊です。

 

日本進化論 (SB新書)

日本進化論 (SB新書)

 

 

研究者でありながら、積極的にメディアに参加し自身のテクノロジーを活用して社会問題にも取り組んでいます。日本の明るい未来のために頑張る落合さんのビジョンが書かれていると思い読んでみました。

 

まず大事になるのはポリテックの話。衆議院議員である小泉議員と落合さんの対談の中で出てきた言葉ですが、ポリティクス(政治)とテクノロジーが融合したもので、テクノロジーを政治の議論にどう取入れてくかというものです。詳しい内容は本できちんと解説されています。

 

本書は「平成最後の夏期講習」というニコニコ動画の生放送番組で出た議論の内容を落合さんが自分の意見も交えてまとめたものになっています。未来の働き方、超高齢社会、育児、教育など、幅広い問題について、どのようにテクノロジーを盛り込んでいくことが出来るのかを解説されていました。各章末にはグラフィックレコーディングといって、議論で出た内容を1枚の大きな紙に絵や文章を使ってまとめたものが掲載されていて、視覚的、直感的に議論の内容を確認することが出来ました。

  

個人的に医学生として気になったのは、超高齢社会問題と、医療費の問題、そして予防医学についてです。

 

超高齢社会の中で問題になるのは認知症患者の増加です。内閣府によれば、2025年までに65歳以上の認知症患者数は約700万人を超えると言われています。高齢者の5人に1人は認知症となるのです。

僕自身が脳神経内科ポリクリで回った時には、最近では認知症はメタボと一緒で生活習慣病だと言われてきているといった話も聞いたことがあるので、予防医学の発展は認知症患者の増加防止に役立つと思います。また、今はまだ認知症の進行を遅らせる薬はありますが、根治治療を期待できるものはありません。しかし、技術の発展とともに認知症という病気も治療可能な病気になると僕は思います。

 

僕がここまで認知症に対して考えるのも、もちろん医学に携わる者だからというのもありますが、祖母がアルツハイマー認知症であるというのも大きな原因です。

教科書で読んで記憶している病気でも、実際に見た時の衝撃は大きなものです。僕自身も祖母の病気が徐々に進行していくのを見て、なんとかならないのかと強く思いました。認知症であれば、もちろん介護のコストも多くかかりますし、本人のQOLも保障するのが難しくなります。今現在、祖母が何を求めていてどうして欲しいのかは、周りの家族の予測でしか分かりません。それほどまでに壊れてしまうのです。

 

少し脱線しましたが、遠隔運転技術や自動追尾を取り入れた車椅子など、介護の分野にもテクノロジーを取り入れていこうという取り組みはとても大切と感じました。また、ビックデータを用いた予防医学の発展なども非常に興味の湧く内容でした。

 

また、国家財政の内訳で大きく占める社会保障費について、慶應大の権丈教授によると対GDP比で考えると2040年の社会保障費は2018年の1.1倍であるという事だった。このままいくと社会保障費が際限なく膨張して財政が崩壊するのではないかという大衆の不安は適切でなく、単純に社会保障費が2040年には今の1.6倍にも増大するから大変だと思うのは間違っているのではないかという話がありました。

その社会保障費の中で増加していくだろうとされるのが介護と医療ですが、費用では医療の方が介護の3倍以上を占めるのです。

この医療費をどう減らしていくかを考えることは医療者の立場でも大切であると感じ、医療制度そのものも変える必要があるかもしれないが、現場でも変えていけることが多少なりともあると思いました。

 

今後の落合陽一さんの活動も興味があるけれども、自分自身が社会に対して意見を持ち小さくても声を上げていくことが社会を変えていく一助になるのではないかと思いました。

 

落合陽一さんについてはこのnoteを見るとどんな人かわかると思うのでぜひ読んでみてください。

note.mu

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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