ちゃげの雑記帳

24歳の医大生が好きなこと、考えたことを発信してます。

池江璃花子選手!がんばれ!!!

 

昨晩の話になりますが、帰宅してテレビを見ていると、テレビで衝撃的なニュースが流れてきました。

 

『水泳の池江選手、白血病を発表』

 

皆さんもそうだとは思いますが、とてもびっくりしました。世の中にこんな悲劇的な偶然が起こるのかと、とても悲しくもなりました。日本だけでなく世界においても、18歳という若さで水泳界のトップを走る池江選手が病に襲われるのは、全く関係のない僕ですら心を痛める出来事です。

池江選手には、しっかりと治療して元気な姿になって、また力強い泳ぎで世界中を感動させて頂きたいと心から思っています。

 

この記事では、白血病という病気について書いていきたいと思います。

白血病って意外と身近に起こりうる病気だなと思っています。僕の高校の友人も1人、つい2年ほど前に白血病を患っていました。僕も何度かお見舞いに行きましたが、今ではしっかりと治って元気に働いています。

 

白血病「血液のがん」と言われますが、皆さんが思ってるよりもずっとよく治る病気です。僕も医学生として白血病という病気について、一般の人よりは勉強していると思います。もちろん、学生なので実臨床での事は実習で見学した程度です。ですが、自身のアウトプットとして簡単に説明できたらなと思います。

 

単に白血病といっても実際は大きく4病型に分かれます。

慢性骨髄性白血病②慢性リンパ性白血病急性骨髄性白血病急性リンパ性白血病

要するに、慢性急性か、骨髄性リンパ性かで4つに分かれるのです。

まだ正式に池江選手の病気がこのうちのどれなのかはわかっていませんが、若年者に多く、病歴から考えると急性リンパ性白血病なのではないかなと思います。ちなみに僕の高校の友人もこの急性リンパ性白血病でした。ただあまり情報がないのでかなり雑な予想ですが。そのうち発表される事があったら修正します。

 

この急性リンパ性白血病について簡単に書きたいと思います。

そもそも「がん」とは、遺伝子異常をもった細胞が腫瘍性に増殖していくものです。白血病も同じで、血液の中の血液細胞が原因となる病気です。赤血球や白血球、リンパ球というものは全て最初は造血幹細胞という細胞から分化してできています。

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https://www.kango-roo.com/sn/k/view/1844

この分化の途中で遺伝子異常が起こり、異常な血液細胞がどんどん増殖していきます。異常な血液細胞は本来の仕事をしないのにどんどん増殖していくため、正常な血液細胞の居場所がどんどん少なくなっていきます。これによって血液細胞が不足し、貧血や風邪をひきやすくなる、出血しやすくなるといった症状が出てきます。そして、この増殖のパターンと遺伝子異常のある血液細胞の分化度によって白血病は細かく分類されています。

急性リンパ性白血病は、上記の絵で下の部分の分化に異常が起こってしまった病気になります。この中でもB細胞に分化する途中なのか、T細胞に分化する途中なのかで細かく分かれます。急性リンパ性白血病は小児と高齢者に多く発症し、若いほど長期生存が期待できるといい、小児の場合では約80%程が長期生存できます。もちろん細かいことを言えば、染色体異常の種類や病気の進行度によって予後が良かったり悪かったりします。

 

急性リンパ性白血病治療法は、数種類の抗がん剤を組み合わせた多剤併用化学療法というものです。この治療の目的は、強力な薬によって約2週間で正常な細胞も異常な細胞もまとめて全部無くしてしまって、一度まっさらな状態にしてしまおうというものです。そして約4週間後には正常細胞がまた増えてきます。しかし、それだけではまだ異常な血液細胞がほんの少しでも残っているかもしれないので、その後に地固め療法、維持療法というものが続きます。この方法は病気ごとに研究の結果に基づいて細かく治療方法が決まっていてます。白血病を含めた造血器腫瘍というものは研究が盛んで、白血病に使われていた抗がん剤が、他のがんに良く効いて使われるようになるということもあるのです。

なぜなら、造血器腫瘍は他のがんに比べて圧倒的に研究しやすいのです。患者さんから採血すれば、そこにがん細胞がいるのでサンプルが豊富に手に入るのです。他のがんは実質のあるものがほとんどなので手術で摘出しなければいけませんし、サンプルの量も限られます。また、造血器腫瘍は抗がん剤は血液に流すので、他のがんと比べても浸透率が良く、抗がん剤の効果も大きいということです。

 

造血器腫瘍の治療薬は日進月歩でどんどん新しいものが出てきていますし、研究も盛んなので、将来は白血病という病気はほとんど治る病になっているかもしれません。今でこそがんは「死」を連想させる怖い病気かもしれませんが、将来では「昔はがんで死ぬことがあったんだなぁ」と言われるような病気になっているかもしれません。いや、きっとそうなるでしょう。いまや一生のうち2人に1人ががんになると言われている世の中ですから、治る病気になってもらわなければ困ります! 

 

少々脱線しましたが、こんな感じでいかがでしょうか。僕もアウトプットすることで知識を定着させているのですが、やっぱりちゃんと説明するのってとても難しいです。

 

そして何よりも、池江選手、気持ちを強く持ってこの大きな壁を乗り越えてください。陰ながら応援しています。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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