ちゃげの雑記帳

24歳の医大生が好きなこと、考えたことを発信してます。

平成最後の年末

約3週間ほどの冬休みをほとんど家に引きこもり、たまに忘年会で飲み倒す、そんな怠惰な生活を送っています。同じ医学部の同級生たちは、学生最後の楽しい冬休みを海外に行きまくり、楽しそうな動画をUPしている中で、昼まで寝て夕方までひたすらゴロゴロです。あー楽しい。←ややひがみ

そんな感じで平成最後の年末をゆっくり過ごしています。てか”平成最後”ってかなりのパワーワードですよね。平成最後とか言われるとなんかしなきゃいけない気になってきます。

「僕、平成最後に君のことが好きになったんだ。平成最後のデートに行ってくれないか?」

なんて言ったら、気になるあの子も、

「平成最後、、、行きましょ!」

ってなるかもしれないですよ。うん、絶対ならないです。

つい最近このブログを始めたので、ブログの振り返りなんて5秒で終わるのでしませんが自分の1年間はどうだったのかなと振り返ってみます。

学年も4年生から5年生に上がり、この1年間はひたすらポリクリしてました。楽しい科もあればつまらない科もあり、優しい先生のいる科は好きになり、早く帰してくれる科のことも好きになり、たまに興味を持つ科が現れたり。

 

その中でも心に残る実習の経験て誰にでも1つくらいはあるものです。僕がとっても心の残ってるのは消化器内科での実習です。僕の受け持ち患者さんは末期の食道癌の患者さんでした。食べ物が喉を通らず、倦怠感が強いので病院に来てみたら、すでに末期の癌と診断されてしまったということです。治療として出来ることはいわゆる緩和治療というものです。実習期間は2週間で、この患者さんにちゃらんぽらんな僕が毎日お話しさせてもらうのです。僕も末期癌の患者さんは初めての経験だったので、何を話せばいいのかもわからず、毎日その患者さんのところにいって、今日の体調はいかがですかなんて当たり障りのないことを聞いていました。幸い、患者さんはとてもいい人で、僕に自分の仕事の話や家族の話や自分の昔の話など色々なことを話して頂きました。ある時、患者さんが自分で立ち上げた事業の話をしていた時にふと、「なんでこんなことになっちまったんだろうなぁ」とぽつりと言いました。僕は何も言えません。続けて、「まだやりたいことばっかりなのに」と。聞けば、事業がちょうど軌道に乗り始めこれからって時だったのです。とても悔しそうで、見ている僕も苦しい気持ちになりました。こんなドラマみたいな話が本当に自分の目の前で起こってるんだと不思議な気分でした。それでも入院しての放射線治療の甲斐あって、腫瘍は小さくなり、少しずつご飯が食べられるようになって一時退院が決まりました。僕の実習期間もちょうど終わりだったので、2週間お世話になりましたと挨拶しに行った時に、

「話を聞いてくれてありがとう。君はきっと良い医者になるよ。」

と言って頂きました。ただ、毎日患者さんの病室に行って何もできずにお話を聞いてただけなのに、少しは患者さんの役に立っていたのかもと思い、嬉しくなりました。僕は精一杯の気持ちを込めてお礼をして、そっと病室を出ました。

その3ヶ月後、消化器内科の先生に会う機会があったのでずっと気になっていた僕は「あの患者さんどうしていますか?」と聞いたところ、「今は入院してないけど、健在だよ。」と教えて頂きました。そんな思い出深い患者さんがこの年の瀬をどう過ごしているのだろうとふと気になりました。

 

いつ何が自分の身にふりかかるかわからないですから、今この瞬間も大事にしなくちゃと思います。いつも全力で!なんて言わないですけど、せめて何かあった時に前向きな後悔でいられるぐらいには、自分で納得できるくらいには頑張りたいですよね。

明日は少し早起きして勉強しようかなぁ〜

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。皆さん良いお年を!